トップスレターン

3ターン

姫郡 久実(ひめごおり くみ)



裏路地。
ボロ雑巾のように痛めつけられた男が、自分を取り囲んで嘲笑している
男達に…必死で懇願している。
「金は払ったじゃないか…もう許してくれ!」
「そうは行かねえんだよ、『都会のネズミ』の旦那…」
「そのチュウチュウ言う口はしっかり封じとかないとな」
ニヤリと笑う3人のチンピラ達の口には、鋭い肉食獣の牙。
そして、両手の指からは同様に獲物を引き裂く爪が伸びる。
チンピラ3人組の肉体に発現したそれは、イタチのもの。
『ガンバの冒険』のノロイ一族か、『日本昔話』の化け鼬か…。
「オラァ、死ねや!」
「ひいっ!?」

だが、振り下ろされようとした爪は…投げつけられた石飛礫に
激しく打たれ、チンピラが苦痛の声を上げて手首を押さえる。
「いてえ!?だ、誰だ!?」

白装束に紺袴、薄衣を被った細身の影が、暗がりから現れる。
その顔を上げると…禍々しい造形の鬼女の能面!
「瓜から生まれた…」
能面を取り、少女は名乗りを上げる。
「瓜子姫!!」

「何でえ…よく見りゃ中坊くせえガキじゃねえか」
「そう思うのはそちらの勝手…お金のある人に弱みを見つけての恐喝…
この瓜子姫、天に代わって鬼退治します!」
「かまわねえ、やっちまえ!性的な意味でもな」
「あ、それからもうひとつ…もうじき『犬のおまわりさん』が来ますので、
それまで伸びててもらいます」

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