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8ターン
皆川 呉作(みなかわ ごさく)
「あ〜腹減ったなぁ。そろそろ、こいつでも食おっかなぁ〜!!
いつもコンビニで売り切れだったから、初めて食うんだよなぁ…」
太陽が落ちようとする夕暮れ時、裏路地で見るからに「頭の悪そうな」学生服の
青年・皆川呉作がパンを手に歩いていた。
その向こうで、何か声がする。多くは、まるで何かを楽しんでいるかのような声。
そしてもう1つだけは、誰かに助けを請う声。
「やめてくれよ!!これは妹に食べさえてやる分なんだよ!!」
「あ?妹だ?今時、かっこいい兄ちゃん演じてもうけねぇーんだよ!!
おい、やれよ。」
高校生の集団が、1人の華奢な中学生らしい少年を囲んで暴力を振るっている。
そして、中学生が財布を奪われても必死で守っていたパンの入った袋を
リーダーらしき男が手にし水溜りに投げつけ、踏み潰した。
「おい、お前らハイエナか?1人じゃなんもできねぇーから群れるなんて
カッコ悪いったらないぜ。」
五作はリーダーの男の手に肩を置くと、振り向きざまに拳を振るう。
あまりに一瞬の出来事に、呆気に取られた高校生たちを千切っては投げ
殴ってはぶっ飛ばす呉作。
喧嘩とはいえない一方的な出来事が終わると、呉作は傷ついて倒れている
少年に手を伸ばす。
「おい、このパン……良かったら持って行けよ。
妹の喜ぶ顔、見たいんだろ。」
少年は痛む頬を擦りながら、少しだけ微笑んでそれを受け取った。
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