トップスレターン

35ターン

唐空 呑(とうから どん)


目的が一致してしまった僕達はケーキ屋を後にし
スリがアジトにしていると思われる幽霊長屋に向った。

向う道中、確認の為に合流した4人と共にもう一度状況を説明するついでに
先ほどスリ被害について調べていた時に見つけた別の情報も教える。
「スリの被害はとある廃屋、通称『幽霊長屋』を中心に発生していることがわかった
 おそらく犯人は、そこをアジト、もしくは仕事の拠点として構えていると僕はふんだ
 スリの手口はいつも同じで、人間では無い緑色の生物がすばやく札だけを奪い取って逃げる
 とまぁ外の人間が聞いたらUMA騒ぎが起こってもおかしくない手口だけど
 恐らく本を使って作り出した生物だと見ていいかも知れない」
一度、各々の様子を伺う。詩之守先生のノリ気の無さが目立った。
「僕らの目的は、スリを実行している者を発見して、捕まえること
 出来れば手荒な真似はしたくはないけど、贅沢は言ってられないかな」
まぁ場合によっては抵抗しなくてもするかも知れないけどね。

しばらくして、目的の幽霊長屋へ到着した。
幽霊長屋といわれるだけあって、人も住んでいるとは考えがたいぐらいボロボロだ
まぁそれがかえって、悪事を働くのに好都合なのかもしれない。
「早速中に入ろうと思うんだけど、その前に一つ
 とりあえず、中に入ったら基本固まって動こう。そっちのほうがもしもの時に対応出来る
 もっと細かく言うなら詩之守先生と琴里ちゃんはなるたけ後ろの方に」
非戦闘員タイプの詩之守先生と幼い琴里ちゃんを前に置くわけにいかないし
2人とも能力も支援向きな以上、この配置であっていると思う。
「んでその前に姫郡さんとオッサン、一番前が僕と大河原で行こうと思うんだけど」
能力の詳細が分からない二人をどう使えばいいか、ちょっと悩んだが
とりあえず、一番腕の立つ姫郡を中に置いて、前にも後ろにもサポートできる体制を作ったがどうだろうか
「んじゃ…はじまりはじまりってことで」
そういうと僕は、今にも倒れそうなドアを蹴破って幽霊長屋へと足を踏み入れた。

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