トップスレターン

32ターン

佐川 琴里 (さがわ ことり)


【Link:姫郡 久実 30ターン】

>「こ〜〜〜と〜〜〜り〜〜〜!?」

「ひ、姫姉ちゃん...コンバンハ〜」

>「何してんのこんなところで!」

「なにって資産階級のティーブレイクを...」
久美の手は今度こそ確実に琴里の襟を捕まえた。
橘川店長が取り成してくれたことで、なんとかゲンコツは免れた。
(サンキューおじちゃん)
しかし余程信用ないのか、いつまでたっても久美は琴里の傍を離れず、その動きを封じている。
抵抗すればますますがんじがらめに囚われてしまうだろうが、そうせずにはいられない。琴里はとりあえず不満の意を表すために手足をばたつかせ続けた。
久美はと言うと、琴里を捕まえながら器用にも大人達に挨拶をして周っている。

>「琴里、あんた…この先生…と知り合いだったの?」
>「いや、今そこで会ったばかりだと思うよ。」

「そだよ、さっきそこでおじちゃんがナンパした。」
負けじとへらず口を叩き、久美がしかる。琴里は反省せずにまた茶々を入れ、それを久美が...――
二人が揃えばいつでもどこでも、児童施設内での日常が再現されるのだった。

そんなこんなで久美がお小言を終え、琴里はやっと解放された。
「うへぇ、服伸びちゃったじゃない、どうしてくれんのさ...」
恨めしげに上着の皺を伸ばしていると、

>「それにしてもよく集まったもんだなあ。
ここで会ったのも何かの縁だ、皆でスリ事件解明と洒落こもうじゃないか」


橘川店長の掛け声が店内に響く。
琴里は肝心の河童討伐の作戦を聞いていなかったが、まあどうにかなるだろうと構えた。
その一方で、少し気がかりなこともある。

「あのさ、詩乃守先生。もし暇だったらあたし達についてきてくれるかな。」
隣りでおとなしく座る女性に、琴里はこっそり耳打ちした。
「姫姉ちゃんてね、ハッスルすると激ヤバ。今まで人殺さなかったのが不思議なくらいなの。
隣りのお兄さんも負けず劣らずハチャメチャバイオレンスだし...。
あたしじゃ、ストッパー役なんて務まんないよ。お願い、一緒に行こ?」


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